成年後見制度とは
日本では、精神上の障害により判断能力が低下し、日常生活を一人で送ることが困難となった人をサポートする制度があり、これを成年後見制度、そしてその本人をサポートする人を後見人と呼びます。
成年後見制度はこのような人を保護すべく、その人の財産を自由に処分できるような人をつけることを可能にしています。
また、成年後見制度は二種類に分けられ、家庭裁判所が親族を基本に誰をつけるか判断する「法定後見制度」と自分で誰をつけるか選択できる「任意後見制度」があります。
法定後見制度とは
法定後見制度の後見人は、本人の判断能力の低下具合によりさらに3類型に分けられます。
- ①後見 常時判断能力が欠如
- ②保佐 判断能力が不十分
- ③補助 判断能力が衰えている
後見人は様々な書類や審査をした上でこの3つのいずれかに割り当てられるのですが、その具体的な流れをご説明したいと思います。
法定後見人申立ての流れ
まず、法定後見人の申立てを考えている方は家庭裁判所に提出する書類を揃える必要があります。
書類は多岐にわたりますが、主なものを挙げると下記のようなものがあります。
- 1、本人の精神上の障害を証明する医師からの診断書
- 2、後見登記されていないことの証明書
- 3、戸籍謄本、住民票、固定資産評価証明書
- 4、不動産登記事項証明書
- 5、預貯金、有価証券などの証明書
これらを含む必要書類を家庭裁判所に送付したのち、家庭裁判所から調査官がやってきます。
調査官が本人と面談をして判断能力の程度を確認し、生活状況や後見人との利害関係などその他一切の事情を考慮した上で、「後見」「保佐」「補助」のどれかに該当することとなります。
なお、これらの手続きは平均して4〜6ヶ月程度かかるのでなるべく早めの準備をお勧めいたします。
任意後見人制度とは
任意後見人制度と法定後見人制度の違いは、前者は本人の判断能力が低下する前から後見人をあらかじめ定めるのに対して、後者は低下した後に定めることです。
したがって、任意後見人制度においては本人の意思が尊重され、本人と後見人の間で合意に至らなければ契約が成立しないといった特徴があります。
任意後見人制度の流れ
任意後見人制度を利用できるまでの流れは以下の通りです。
1、本人と後見人候補の間で納得できる契約内容を考える
2、本人と後見人候補が必要書類を揃えた上で、公証役場にて公証人と打ち合わせを行う
公証人とは裁判官などの法律の専門家で、こうした人々が中立的な立場から契約を結ぶ場を公証役場と呼びます。
また、この際に必要な書類は主に以下のようなものが挙げられます。
- <本人>
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①本人証明資料(運転免許証など)
②住民票(3ヶ月以内に発行されたものに限る)
③戸籍謄本もしくは抄本(3ヶ月以内に発行されたものに限る)
- <後見人候補>
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①本人確認資料
②住民票
3、本人、後見人、公証人が公証役場にて公正証書にサインをする
4、公証人が法務局にて後見登記手続きを行う
5、本人の判断能力低下後、家庭裁判所が後見人を選任する
以上の流れを経て後見人は任意後見人として動き始めることができます。
任意後見制度も法定後見制度同様、数ヶ月程度要する場合がありますので注意が必要です。
後見は司法書士清水崇史事務所におまかせください
今回は成年後見の申立てについて解説しました。
司法書士清水崇史事務所は、成年後見の申立てのご相談を承っております。
お困りの際は一度当事務所にご相談ください。