■成年後見制度の問題点
成年後見制度とは、意思能力の不十分な人が人から騙されたりして財産的損害を被るのを防ぐために、後見人をつけてもらう制度です。成年後見制度には以下のような問題点があります。
●後見人による横領などの不正行為の発生
後見人は被後見人の財産を管理する権限を有します。後見人は被後見人と生活をともにしている親族などが指名されることが多く、その場合に親族が親の貯金から勝手に生活費を支出しているケースが散見しています。後見制度とは本来ならば被後見人の財産を守る制度であるはずなのに、このようなことが多発してしまうのは背理です。そのため、後見監督制度という制度も導入されていますが、家庭裁判所が常に後見人を見張るというのはなかなか困難であり、実情として後見監督制度はうまく機能しているとはいえないでしょう。
●被後見人の資産運用に対する一定の制限
後見人は被後見人の利益を図るための行為しか行えません。そのため、不動産投資などの積極的資産運用はできませんし、子供の教育資金を支出するなどして家族に資金的援助を行うこともできません。
さらに、通常相続税対策として不動産購入や生前贈与を行うことが考えられますが、これは相続人の利益になるものであって本人の利益になるわけではないので成年後見制度の利用により行えるようにはなりません。
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成年後見制度の問題点とは
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